彼女が昔好きだった先輩を連れ込んだ夜、俺は窓に張り付き中の様子を探った。「いっぱい出たね」という彼女の声が聞こえたとき、俺の中で何かが切れた。

794  今まで  03/10/21 12:05 ID:0i2w9qEj
彼女は、社交的な方で
男友達も多かったけど、それについて
あまりどうのこうの言ったことはなかった。

というのも、彼女はかなり事細かに日記をつけていて
俺はたま〜にこっそり盗み見をしていたんだけど、
そこにも怪しげな内容は無かったし、
俺が好きだということがちりばめられた文章だった。

796  今まで VToQ4am3yE  03/10/21 12:41 ID:0i2w9qEj
その頃、俺はちょうど働きはじめたばかりで(長いこと学生やってたので)、
初任給で彼女に安物ではあったけど指輪を買ってあげたりして、
幸せの絶頂だった。

お互い口には出さなかったけど、このままそう遠くない時期に結婚
すると思っていた。

あの日までは...

その日は、指輪をプレゼントした2日後だった。

797  今まで VToQ4am3yE  03/10/21 12:54 ID:0i2w9qEj
半同棲といっても、俺が彼女の家におじゃましている状態だったので、
彼女が俺の知らない仲間と飲みに行くときとかは、
俺は実家(とても近所)に戻っていた。

その日も、彼女の大学時代の先輩達と飲みに行くという話だったので、
俺は実家に帰り、脳天気に酒を飲みながらインターネットなんかをしつつ、
時間を潰していた。

彼女も1人時間おきくらいには、携帯メールを送ってくれていて、
いつもと変わらない、良くある飲み会という感じだった。

俺は、12時くらいにはすっかり酒も回り、
眠くなってきたので、もう寝るよとメールを送って寝てしまった。

798  今まで VToQ4am3yE  03/10/21 13:04 ID:0i2w9qEj
しかし、ちょっと使い方は違うかもしれないが、
虫の知らせというのがあったのかもしれない。

結構飲んで寝たにも関わらず、朝の5時くらいに、
突然目が覚めた。

携帯を見てみると、
「おやすみ〜、家についたらまたメールするね」
というメールを最後に、何もメールが来ていなかった。
その程度のことといえば、その程度のことだが、
その時は何か嫌な胸騒ぎがした。

というのも、その日の飲み会のメンバーに
彼女が昔好きな人がいることを、俺は知っていたからだ。

799  今まで VToQ4am3yE  03/10/21 13:06 ID:0i2w9qEj
実は、元彼と別れたのも、そいつが少なからず
関係していることは、例の彼女の日記で知っていた。

ただ、日記を見る限り、彼女の片思いで、今まで肉体関係なんかも
一切ない事はしっていたし、今の彼女の自分へ対する気持ちを
信じ込んでいたので、その瞬間までは、あまり気にしていなかった。

しかし、そのメールを見た瞬間、嫌な予感がこみ上げてきた。

俺は、すぐにバイクに乗り彼女の家まで走った。

800  今まで VToQ4am3yE  03/10/21 13:20 ID:0i2w9qEj
ちなみに、この日は休日で、彼女と動物園へ行こうと約束をしていたので、
別に何事もないようだったら、彼女の家で寝直そうと思っていた。

まだ薄暗い時間帯に、彼女のアパートに着くと、
彼女の部屋の電気は消えていたが、
駐輪場をのぞいたら彼女の自転車が置いてある。
あぁよかった。ちゃんと帰ってきてるなと思って、
彼女の部屋の前に行き、呼び鈴を押そうかと思った
(いつも、1本の鍵をポストに入れて使っていたので、
合い鍵は持っていなかった)

その瞬間、何か中で人の話し声のような物音がしているのに気付いた。

801  今まで VToQ4am3yE  03/10/21 13:30 ID:0i2w9qEj
またしても、嫌な予感がこみ上げてくる。

ドアに耳を付けてみたが、確かに物音は聞こえるが、
なんなのかまでは分からない。

いても立ってもいられなくなり、ベランダに回り込んだ。
(都合良く彼女の部屋はアパートの1階だった)

ベランダにおりた瞬間、俺の目に飛びんできたのは、

カーテンの下の隙間から窓際まで転がってきている。
何ヶ月か前、ホテルに行ったときふざけて買ったローションのボトルだった。

809  今まで VToQ4am3yE  03/10/21 14:33 ID:0i2w9qEj
そのローションは、買ったとき使っただけで、
洗面台の下の奥にしまってあったはず...
それが、なんでこんな所に転がっているんだ...

俺の思考は完全に止まってしまった。
冷静に考えれば、答えは出ている。

しかも、最初に不自然なメールを見たとき想像したより
最悪の答え。

810  今まで VToQ4am3yE  03/10/21 14:40 ID:0i2w9qEj
そのローションの存在がり、中で行われている行為、
更に少なくとも彼女が同意の上での
出来事だと言うことを雄弁に物語っている。

多分、1,2分の間俺はその場で呆然と立ちつくしていたと思う。

その状態から脱したのは、部屋の中から聞こえてきた男の
「あっ..入った...」
という声だった。

811
  今まで VToQ4am3yE  03/10/21 14:45 ID:0i2w9qEj
その声で我に返り、
カーテンの下から部屋をのぞき込んだ。
中の様子はほとんど見えない。