「憎い」なんて感情はもう無くなったと思っていた。10数年前に5歳の娘と離婚届を置いて浮気相手と逃げた元嫁を目の前にした時、俺の感情は暴走し…気付けば周囲は凍り付いていた。

227: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 13:21:49.56 .net 小学校卒業する頃、娘に夢を宣言された。 看護師になる!と、俺と俺両親の前で声高らかに宣言。 娘らしいと思ったよ。 中学に入ると夢へ向けて勉強するのと同時に、 スポーツ係の部活にも打ち込み始めた。 朝練や夜遅くなる事も多かったが、俺と両親とでとことんバックアップ。 この頃の俺たち家族の夢はイコール娘の夢だった。 毎日深夜まで勉強したおかげで、娘は県下一の進学校に入学。 そして相変わらずの勉強と部活の日々。 部活の方は県で一番になる事もあり、 寧ろ勉強よりもこちらの方で地元では徐々に有名になっていった。 が、高三になる前に退部。周りの説得虚しく、 彼女はあっさり辞めてしまったんだ。 理由は、学力が思いの外上がっていなかったから。 娘の中では看護師になるのが全てに優先していた。   229: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 13:34:54.87 .net 高三の秋。 寒さが日1日と厳しくなり、 この年初めて出したコタツの中で家族四人温まりながら 夕食後のテレビを見ていた時の事。 娘がふと呟いた。 「看護師になって、お爺ちゃんお婆ちゃん、 お父さんを一生面倒見てあげるからね」 思わず泣きそうになったが、ギリギリのところで堪えた。 と思ったら、お婆ちゃんが泣き出した。 私たちの事はいいから、 将来は結婚して旦那さんと幸せな家庭を築きなさい、と言ったんだけど、 頑なに拒否する娘。 結婚なんか絶対にしない、と言い切った娘の顔を見て、 俺は複雑な気持ちになった。 そして俺のそんな表情を察知して娘が言った言葉。 「別にお母さんの事があったからじゃないよ。単に育ててくれたお礼だよ」 階段を上って行く娘の後ろ姿を見ながら、 もう涙を止めることは出来なかった。   230: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 13:39:53.58 .net 娘が 「お母さん」という言葉を口にしたのは実に10年ぶり。 母親のいない家庭で暮らしていくと決めた日以来。 いや、当時は娘はまだ元嫁の事をママと呼んでいたから、 正確には「お母さん」という単語はこの時が初めてだった。 この時の俺たちは、もう元嫁に対する怒りや憎しみなんかは無くなっていた。 スクスクと育つ娘を見ているだけで 心が穏やかになっていったのかもしれない。 逆にこんなに優しい娘を産んでくれたことに 感謝する事も一度や二度位はあったと思う。   231: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 13:43:02.66 .net 4   233: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 13:45:21.87 .net ④~   234: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 13:45:23.50 .net 娘は猛勉強の末、何と医学部に合格してしまった。 しかもかなり偏差値の高い国立大学の。 娘の中で絶対的な夢であった看護師への憧れは、 いつしか医者にまで昇華していたんだ。 「まさか受かるとは思わなかった」と謙遜していたが、 確かに当時の成績ではほぼ奇跡に近かった。 そして娘は再び部活に入り、忙しい毎日を送ることになる。 通学に一時間以上かかるので、 本意ではないが一人暮らしを進めたのだが、これも頑なに断られた。 そればかりか、就職しても一生この家から出て行かないと言っていた。 それをきいてまた泣くお婆ちゃん・・・   236: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 13:49:25.09 .net 将来娘が医者になったと聞いたクソ元嫁が たかりに来るかもしれないから気をつけて!   237: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 13:52:49.96 .net ただ産んだだけの元嫁に感謝は不要   238: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 13:54:09.41 .net 大学二年の時に娘が全国で3位に入る好成績を残した瞬間から 周りが変化しだした。 地元のテレビ曲や新聞社からの取材。 地元で一躍有名人になってしまったんだ。 現金なもので、殆ど話した事もない級友達が、 さも昔からの親友であるかのように近付いてきたり、 中学生の頃娘と付き合っていた等の噂話が一人歩きするようになり、 俺としては歯がゆい思いをしていたのだが、 娘の「放っておけばいいじゃん、悪口言われてるわけでもないし」 という言葉で収めていた。 実際、顔も覚えていない昔のクラスメートが家に訪ねてきても、 娘は嫌な顔一つしていなかった。 この時点で俺は精神年齢で追い越されていたのかもしれない・・・・・   239: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 14:00:09.85 .net   240: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 14:00:30.80 .net wktk   241: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 14:05:30.46 .net 医学部って凄く大変なんだよな。 専門過程?とかに入る前なのに勉強の量が凄くてさ。 高校の時に中途半端になっていたか ら部活は最後までやり遂げるって言ってたし、 兎に角受験勉強時代みたいに忙しくなっていった。 もうお爺ちゃんお婆ちゃんも年だから、あんま臨機応変に出来なくて。 寧ろ娘の世話になることの方が多くなっていったような気がする。 それでも本当に仲の良い四人家族だった。 娘のおかげで楽しい生活だったんだ。 だけどそんなある日、悪夢が突然起こってしまったんだ。   244: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 14:12:38.71 .net 俺の自営の周年パーティーを事務所でやっていた時の話。 近所の人達や親戚、友人等俺の事務所に集めてささやかに催していた、 確か土曜日の事。 自慢の娘も皆の前で紹介したかったんだけど、部活でドタキャン。 まあ昼前から飲めや歌えやの大騒ぎ。実際歌は無かったけど。 俺も結構酔って気分良くなってた時に、 近所のおばちゃんから「お客さんだよ」と声がかかった。 なのんきなしに事務所の入り口に向かうと、そこに元嫁が立っていた。 雰囲気はだいぶ変わっていたけど、俺は一目で元嫁と分かった。   246: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 14:15:11.25 .net 慰謝料払いに来たのかな   247: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 14:19:09.48 .net 悪夢が娘さんにとってじゃないこと願って支援   248: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 14:19:30.46 .net 元嫁は伏せ目がちに立っていたけど 血色も良くて着ているものもいい感じだった。 普通に幸せな主婦って感じ。 一瞬頭の中が真っ白になった。酔っていたからなのか、 心臓の鼓動が耳元で響いて妙に耳障りだったと覚えている。 元嫁は何かを言っていた。 「久し振り」なのかもしれない。「元気だった?」なのかもしれない。 でもそんな事はどうでも良かった。 無心であっけにとられていたはずの俺なのに、 次の瞬間襲った激情。激情だよ。 今思うと全くコントロール出来ていなかった。 俺は元嫁の手を引いて皆の前の壇上に立って大声で言ったんだ。 紹介します!てな。   249: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/02/06() 14:28:56.53 .net