【2/8】嫁が静岡市に出かけた。用があって嫁に電話すると、バックに駅の構内放送が聞こえた。 “4時??分発 中津川行きの急行が…” 路線を調べても静岡にいないことは明白だった。
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253: 中津川 ◆jIzn4ThRRKxt:2011/03/22(火) 20:00:57.55 ID:今日の友人とは過去にいろいろな経緯がありますので。 誤解を招いてはと思い、少し長くなりますけど、あえて過去のいきさつも書きます。 長くなって、ほんとすいません。 254: 中津川 ◆jIzn4ThRRKxt:2011/03/22(火) 20:02:34.49 ID:今日会ってきた友達は、俺が大学の時に入っていた、あるサークルの仲間の知り合い、というか親分。 俺たちの学校とは違い、私学最高峰のあの大学で、俺たちよりは1歳年下。人生で1回見かけるかどうかの超美人。 ただ、父親が関東圏でもかなり有数の地主で、従業員が400人ぐらいの住宅会社を経営してる相当な金持ち。 その上、自分も子供の頃からものすごく賢かった、その結果性格は強烈にわがままで、超気が強い。 男だろうが、女だろうが、年上だろうが一切お構いなし。高飛車に上からバシってやっちゃうお嬢さん。 だから、あれだけ壮絶に美人なのに、誰かと付き合ってるとかって話を、今に至るまで聞いたことが無い。 当然、俺たちの周りの人間達のことも、思いっきり馬鹿にしてたけど、どういうわけか、俺のことは気に入ってくれてた。 その結果、俺たちは3人で行動することがおおくなっていって、ミンミン(なぜかは知らないけど彼女はそう呼ばれてた)は、 俺たちをよく、自分達じゃとても行けないようなところに連れて行ってくれて、驕ってくれたりした。 ただ、ミンミンと遊んでると、1日に5回は「あんたほんとバカね」と言われてたけど。 俺は、そういわれるの慣れてたから気にならなかったし、それにミンミンはとても面倒見がいいところがあって、 俺や、友達に、なにか困ったことがあると、ぶつくさ文句と罵りを言いながらも、結局親身になって助けてくれてた。 彼女は、目的に向かって突き進む性格なので、時には汚いマネや、平気で他人を踏みつけにすることもあるけど、 ただそれでも根は純粋で、竹で割ったような性格をしてるから、俺はそんな彼女が好きだし、信頼もしてる。
255: 中津川 ◆jIzn4ThRRKxt:2011/03/22(火) 20:05:00.44 ID:その後、大学を卒業して、24歳で友達が結婚すると、今度は俺とミンミンは二人で行動するようになった。 と言っても、俺は会社務めしてるし、ミンミンも大学を卒業すると、すぐに父親の会社で働き始めたから、機会はぐっと減った。 今、ミンミンは父親の会社で、自分が立ち上げた分譲部門の責任者をしている。部長さん。 部下が50人近くいるらしい。前に聞いた話だと、住宅関係は決して景気がいいとはいえないけど、 なんでも、新しいブランドを立ち上げて、若手の斬新な発想の建築士を引っ張ってきて、値段よりイメージで勝負してるそうだ。 俺は前に、今の会社を辞めて、自分のしたで働かないかと誘われたことがあって、その時にいろいろ説明してくれた。 ただその時は嫁との結婚のこととかもあったし、一生ミンミンの下僕で生きるのもどうかと思い、辞退した。 実は、嫁との結婚が決まってから、一度ミンミンに嫁を会わせたことがある。ミンミンが会わせろって言うから。 ひと目見るなり、露骨に警戒してる嫁、口調は丁寧だったが、猫がネズミをいたぶる時のような目をしたミンミン。 もう最悪だった、いくら昔からの友達だと説明しても、あの女狐には二度と会うなと半泣きで迫る嫁。 ミンミンはすぐに電話してきて、もうボロクソ、「あんた、ほんと人を見る目なんて皆無だよね」 「大人しそうな顔してるけど、あの女は自分のことしか考えない女だよ、どんなことでもやるよ」 そういって、悪いことは言わないから、すぐに分かれろと捲くし立てられた。 256: 中津川 ◆jIzn4ThRRKxt:2011/03/22(火) 20:06:54.60 ID:そうは言っても、その時には嫁との結婚式まで、あと4ヶ月だったからどうしようもないし、それに俺は嫁が好きだし。 それからも何回か、ミンミンから電話がかかってきてたけど、滅多打ちにされるのが怖くて出なかった。 そうしたら、結婚式の10日ぐらい前に、突然ミンミンが俺の家にやってきた。で、またあの話。 「今からでも遅くないから、結婚やめなさい、じゃないとあんた一生後悔するから」 それまで、ミンミンの人を見る目は確かだったし、きっと長年の友達の俺のことを心配してくれてるのもわかった。 ただ、俺にはそんな度胸はないし、それになにより俺は嫁に夢中だった、だから出来ないと言った。 そうしたらミンミンは「あんた、前に助けてあげた時に言ったよね?私の言うことなんでも聞くって」 「だったら、今お願い言うね、結婚やめて」それまでの詰め寄るような口調から一転、ニッコリ微笑んでそう言った。 俺は何も言えなくて、ただうじうじ下を向いてた、そしたらミンミンが、人の2倍ぐらいある目をクワッって見開いて、 俺をにらみつけて「あんた男のくせに、自分で言ったこと守れないの?」 もうほんと俺は、穴があったら入りたい心境でただ黙って俯いてた。そしたらミンミンはカツンって靴の音を立てて歩いて行った。