【6/6】「お前の浮気相手は会社の上司なんだろ」その時の嫁の表情は忘れられない。つり上がってた目が一瞬だけフリーズし、それから怯えるような媚びるような表情になった。

【1/6】 【2/6】 【3/6】 【4/6】 【5/6】 【6/6】

60 24 TCGpP65CIY 2012/10/01() 15:45:02.10
でもね、本当はわかっていた

自分は被害者様なんかじゃなくて加害者だってこと
かつても今も俺には嫁を傷つける権利なんてないんだってこと
そんなの百も承知だった

だけど当時の俺は安易なほうに流れた
我が儘に振る舞うのがラクだったし、なによりも「嫁を思いやる」
こと自体が何かの敗北だと錯覚していた

そんな生活が1ヶ月ほど続いた
その頃には俺の仕事も平常通りに休めるようになっていたし、嫁
はコンビニでバイトを始めていた
だいたい平日の早朝から10時までで、土日は夕方から22時までも
シフト入れてた

かわりに俺が休みの日には嫁もバイトを休んでいた

休みの日のたびに嫁は「仕事探さないの」と聞いてきたが、俺は
グズグズして過ごした

このままじゃ本当のクズになっちまうと思ったが、改めるのは今
日からじゃなくていいやと思っていた

いっそクズになりきったほうがラクかもとか思ったりもした
仕事も上手くいかなくなりだした
何がどうってワケじゃないんだけど、身が入らない
細かいミスをしたり、やたら休憩したり
そういうのってバイトに伝わるんだよね
店の中での求心力が目に見えて低下していくのが感じられた

そうなると今までは飴(信頼)で従えさせることができてたことが
(力関係)を使わなければならなくなる

そして一度鞭を使ってしまうとスパイラルから抜け出せなくなる

24サンは変わった」「そんなんだから奥さんにも逃げられた」
「チャラ男サンの件も一方的に24サンの逆恨み」

そんな陰口が耳に入るようになった
店にも居場所がなくなった

61 名無しさん@お腹いっぱい。2012/10/01() 15:52:50.17
やはり、タダでは収まらないんだな。

62
名無しさん@お腹いっぱい。2012/10/01() 16:56:45.10
ここで終わるなら単なる逃げられスレですがな

63
24 TCGpP65CIY 2012/10/01() 17:24:42.14
ある日社長から呼び出しを食らった
例によって仕事の後にファミレスで面談

最近の店の状態についての叱責
この先も状態が改善されないようなら左遷と言われた
要は「店長」から「ヒラ」に降格して
他店(近隣市)に配属とのこと

ただし、まあ事情もわからくもないから自主的に退社するならば
それなりの待遇で退職扱いにするとのこと

俺の後釜には副店長が店長に昇格、バイト頭(25歳フリーター)
副店長候補として正社員になるとのこと

通例ならバイトが副店長になる場合にはとりあえず他店舗に配属
になるのだが

他のバイトと歳も離れていて上下関係が出来上がっている
本人や他のバイト達が継続勤務を強く希望している
なにより店の立て直しが急務
であることなどから特例扱いにするとのこと

つまり俺の知らないとこで店の改革案は出来上がってたってことだ
社長どころが相方(副店長)もバイト頭もバイト達も、俺だけをカ
ヤの外にして話を進めてたってわけだ
これには驚いた

けど除け者にされた怒りよりも情けなさが先にたった

ちょっと前までは仕事のこともプライベートのこともみんな真っ
先に俺に相談してきてたのにな

そう言えばバイト頭も以前から「社員になろうかな」とか言ってたっけ
それがこんな形で実現するとはね
自分がどれだけ信頼を失ったのか思い知った

で、俺は退職の道を選んだ
キリよく約1ヶ月後の月末を最後に退職することになった

「じゃあ、店の連中(副店長、バイト頭、他のバイト達)には自分
の口から伝えろ」と言われその日は終了

帰ったら嫁が夜食作って待ってた

65 24 TCGpP65CIY 2012/10/01() 17:59:21.48
で、嫁には「今月いっぱいで会社辞めることにしたから」とだけ
伝えた

嫁は「長い目でみたらそれが24の為だと思う」と言った

で、翌日は俺は仕事休みだったんだけど閉店後に副店長とバイト
頭をファミレスに誘った

で、前日の社長との面談のことと退職することにしたことを伝え、
この数ヶ月の勤務態度を詫びた

けど もう打っても響かなかった
「そうっすか」
「退職までは最低限の自分の仕事はしてくださいね」
一度信頼を失うとそんなもんだ

次の出勤日から、バイトを一人一人捕まえて退職の旨を伝えたが
皆似たような反応だった
っていうか噂が先回りして皆知ってた
他店舗の社員達には月イチ定例会議の場で社長が発表して俺が挨拶
それからの1ヶ月は針の筵だった
けど、空回りしながらも俺なりに一生懸命仕事した
それと、家に帰ってからチマチマとマニュアルを作った

今まで食材の発注は俺の仕事だったんだけど、何をいつどれだけ
発注するかってのは目分量っていうかフィーリングだったんだよね

それを曜日や天候なんかも絡めて発注のタイミングの早見表みた
いなのを作った
それと、バイトのシフトの組み方(どの時間帯に何人入れるかとか
を予測する方法)なんかも文章化した

どっちも今にして思えばマニュアルとも言えないようなチャチな

代物だけどね
だってマニュアルブックらしいマニュアルブックなんて当時は目
にしたこともなかったんだもん

とにかく、俺が持ってるノウハウをこの二人に伝えるのが俺の最
後の責任だと思った
で、翌々週には二人に手渡し、二人はそのマニュアルを元に発注
とシフト作りを行うようになった

それと、もう余計なお世話かもと思ったが、現時点で俺が気付い

ているこの店の不便な点や欠点とその改善案もリストにした

(トッピング台が使い勝手悪いから配置を変えたほうがいいとか、
洗濯物のタイミングをこう変えたいと実は前から思ってたとか)

副店長は「いや、これからのことは俺達が決めるんで」って受け
とろうとしなかったけど

バイト頭は「まあ役に立つかもしれないから」と言って受けとった