クリスマスイブに彼女が男と2人で歩いていた。反射的に身を隠し、男のことを「兄弟」か「近所に住む同僚だろ」みたいに何とか正当化しようと必死な俺。何が正当化かわからんがwww
イブの翌日は平日だったから俺は普通に早く起きて出勤、彼女も同じだろうから朝は連絡は何も無かった。メールも。俺も事情を聞きたいというよりは、何も知りたくない、って感じだった。今考えるとまだ逃げてたと思う。彼女からの最初の連絡は昼休みのメール。夜時間取って欲しいって。別に避けるつもりでは無かったんだけど既に社用で予定が入っていたので会えないとリメール。その代わり夕方少し時間あるから俺から電話すると。
672: 646:2012/09/08(土) 09:48:33.97 ID:で、五時に会社出て彼女に電話。コール十回位でやっと出たよ。この時の会話、今でも全てはっきり覚えてる。彼女「昨夜、来てくれたんだ……」俺「うん」彼女「ケーキ、有難うね」俺「…………」彼女「…………」ギクシャクしたね。六年間でこんな事は一切無かったのに。まるで別人と話してるみたいだった。お前の方から話してこいよ!お前が悪いんだろ!……と、心の中では言ってたけど埒があかず結局俺の方から振ってしまった。俺「あれ、誰?お兄さんなんて、いたっけ?」彼女「…………」俺「黙ってちゃ分からないよ。俺、全部見ちゃったから」鼻をすすりながら泣き始める彼女。少しづつ、ゆっくりと話し出した。
673: 646:2012/09/08(土) 09:49:35.72 ID:彼女「ごめんね……本当……ごめんね」俺「いつから?」彼女「半年位前かな……」俺「二股してたって事?」彼女「……どう思われても構わない……」俺「あの男、誰?」彼女「会社の人……」俺「俺の存在知ってるの?」彼女「うん……」俺「知っててお前にモーションかけてきたんだ」彼女「最初は断ってたんだけど……」簡単に言うと、俺から奪ってやるみたいに宣言されたんだって。会社の同僚だから俺なんかよりよっぽど一緒にいる時間長いし、その内彼女の方がそいつに惹かれていったんだってさ。俺が出張がちになって休みの日も会えなくなったりしてフラストレーション溜まったんだって。ただの言い訳だろうけど。674: 646:2012/09/08(土) 09:50:06.95 ID:俺「そいつ、二股状態だって理解してんの?」彼女「ううん、まだ私と付き合ってるって訳じゃないし……私が貴方と別れたら正式にお付き合い申し込みたいって……」あきれたね。付き合ってるのと同じ事してんのにさ、お前もそいつも俺を馬鹿にしてんのかって。段々アホらしくなってきてね、それまでどちらかというと女々しくてヘタレな俺だったけど、それ聞いてなんだか少し攻撃的になってたみたい。俺「で、お前はどうしたいんだ?」彼女「…………」俺「黙ってるって事は、俺と別れたいんだな?」彼女「…………」この頃になると彼女は結構声出して泣いてた。でもはっきり言わないから言ってやった。
675: 646:2012/09/08(土) 09:50:43.52 ID:俺「分かった。俺達の六年間は今日でお終い。お前の部屋の俺の荷物、悪いけど捨てといてくれ」彼女「◯◯(俺の名前)…………」俺「そいつと付き合うんだろ?」彼女「分からない……」俺「分からないじゃないよ!ちゃんと別れてやるんだから付き合えよ!絶対に!」彼女「……はい……」電話切る時に一言憎まれ口叩いちゃったよ。「六年間お前がこんなにケジメの無い奴だとは思わなかったよ」ってね。それで一切縁が切れた。僅か三十分も話していないと思う。それで俺達の六年間は簡単に終わってしまった。思い出が抱え切れない程あるんだけど本当に全部忘れたかった。これまでの六年の記憶が消せればと何度も思った。676: 646:2012/09/08(土) 09:51:35.43 ID:共通の知り合い(女)から、その後二人は付き合い始めて、そして三ヶ月も経たない内に別れたと聞いた。たった三ヶ月で。本当にやるせなかったよ。この話聞いた時が、ある意味一番落ち込んだ時かもしれないね。俺の方はその後一人の女性とお付き合いしたけれど、半年も続かなかった。寂しさを埋める為だけの存在を探していただけだと気付いて俺の方から告白したのに俺の方から別れてもらった。本当に最低。その後は現在に至るまでずっと独り身です。昨年の話。さっきの共通の女の子から何年かぶりで連絡が来た。元彼女、結婚する事になったって。そのお友達、結婚に猛反対したんだって。「あの人と結婚すべきではない」というのが理由。何だよ、それ、って聞くと、「彼女は◯◯君の事を忘れられないでいる。相手の男の人は◯◯君の代わり。思いを断ち切る為に無理矢理結婚するのが分かってたから」だってさ。なんだそれ……だよ。叩かれるかもしれないけど俺もまだ引きずっていたから元彼女の事。だから本当に聞きたくなかった。今更何言ってんだって。また俺を苦しめるのかってね。
677: 646:2012/09/08(土) 09:54:13.02 ID:でもお互い、やっぱ六年って歳月はとても重くて長かったのかなって思います。そう簡単には忘れられないんだろうな……俺の心境が変化したのは今年の春。外回りしてる時に何気に堂島の桜を見てたんだけど、その時の桜、本当に綺麗だったんだよ。仕事中なのを忘れて見入ってしまった。思えば独り身になってこんなにまじまじと花なんて見たこと無かったかも。で、十年前の事思い出してね、彼女と花見にいった事を。本当に楽しかったなって。周り全てがキラキラしてたよなって。全部彼女が隣にいたからなんだよなって。それからかな、やっと彼女との事、大事な思い出として肯定できるようになってきたのは。そんな感じでいきなり飲み屋で角松の歌聞いちゃったもんだからさ…… まあ、俺的にはいい区切りになったかも。俺も結婚しようかな(笑)