【7/7】嫁は言った。「心を許せるのはあなただけだったから、だから結婚した。」そして笑いながらこう付け足した。「私ほどの女に選ばれたんだから、あなた自信持っていいのよ」と…

俺は彼女に会った瞬間から自分のサレ夫としての立場なんてすっかり忘れて、まるで物語 の語り部のように彼女が舞台から去った後にいったいなにがあったのか、ひたすら語り続けました。
間男の悲しみ、間嫁さんの苦悩と後悔、嫁の執着、そして嫁が間男の愛を勝ち取るために いったい何をしたかを。
彼女は途中から泣きながら俺の話を聞いていました。
そして俺が全てを話終わると、彼女は無理やり微笑んで“きっとあなたも耐え切れないほどお辛かったと思います。それでも私にお伝え下さり本当にありがとう。心から感謝します。“といって帰って行きました。

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飛びっ子◆GplYuWLnjA2008/03/12() 20:20:03
そうです、俺が最後にどうしてもしなければいけなかったこととは、彼女に全ての真実を伝えることでした。
彼女こそがこの愛憎劇の真のヒロインなんです、俺なんて不運にもたまたま通りがかってしまったために、何故だか舞台に上げられてしまったただのエキストラに過ぎません。
俺なんかが係るよりもずっと前から始まっていたこの舞台から、俺は退場します。
その変わりにヒロインを舞台に復帰させて。
そうしなければこの劇はどうしたって終幕できません。
ただし、俺は嫁に復讐したいとかいった気持ちだけでやった訳では決してありません。
簡単に言えば俺はもうそろそろその役割を終えますが、再びヒロインをこの舞台に登場させることこそ俺の最後の役目だったのです。
彼女の最後の言葉を聞いて俺は確信しました。
彼女は長いブランクを経てついに再びこの愛憎劇のステージに再び立つつもりだと。

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飛びっ子◆GplYuWLnjA2008/03/12() 20:20:50
その日の夕方に俺は間男にTELして直接あって話したいと伝え、夜には二人だけで会って話しました。
はじめ俺がその日の午前中に彼女に会ってきたことを話すと、間男は一瞬絶句した後でこ れまで俺の前では見せたことのない怒りを顕わにして言いました。
“・・・君には関係ないことだろう!何をするつもりなんだ?彼女になにを言った?!“と。
俺が全てを説明すると彼はしばらく沈黙した上でおもむろに話始めました。
やっとすべてを。
自分の結婚生活や、嫁に対する気持ち、そして彼女に対する気持ちを。
そして彼女への思いを話初めて以降彼はどうにも耐え切れなくなったようで、涙が幾筋か彼の頬を伝っていました。
俺には彼と間嫁さんの結婚生活がどんなものだったのかはわかりません。
それでも、先日間嫁さんがおっしゃていたとおり愛のない寂しいしい毎日だったことだけは理解できました。
“愛されたいと願っていた、だからしゃにむに頑張った、仕事一筋に、それでも時間が経つほどにますます私たちの心は離れていった、いったい私たち夫婦はどこで間違ってしまったのだろう?”そういった時の彼はただただ悲しそうでした。

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飛びっ子◆GplYuWLnjA2008/03/12() 20:24:03
俺は彼の思いを聞いたことで、彼のことが全て許せたわけではありません。
ただそれでも、彼もまたやっと見つけた愛を失って彷徨い悲しむ一人の男にしかすぎないことだけは解りました。
彼は彼女を失って以降、なんとか彼女の心を取り戻そうとこれまでに何度も連絡を取り会って話したいと懇願したようですが、彼女は頑としてうけいれずどうしても会ってくれなかったそうです。
俺は言いました“もう一度連絡をおとりになってはどうですか?はっきりしたことは判りませんが今なら彼女は会ってくれるような気がします”彼は期待と不信の入り混じった複雑な表情で曖昧に返事をしていましたが、絶対に彼女に連絡するはずです。
間男は最後まで俺の真意を測りかねていたと思います。
でも俺の話を聞いた後からなんだかそわそわしていた様子に、今現在でさえもどうにも抑えられらない彼女への思いが垣間見えました。
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過ぎの男がまるで母を慕う幼子のように見え、その瞬間になんだかあの女性の魅力の正体がちょっとだけわかりました。
それは彼女が身に纏うある種の強い母性を感じさせるオーラのようなものが原因だと思います。
俺の嫁のそれが、闘争と警戒、であるのに対して彼女のそれは、安らぎと安心、そんな差だと感じました。

510飛びっ子◆GplYuWLnjA2008/03/12() 20:24:43
月曜日の昼ごろ間嫁さんから連絡があり、間男が間嫁さんとの極めて不利な条件での協議離婚に突然応じ、そしてその日の内についに家を出ることを聞きました。
間男はやはり全てを捨てて本命の女性と一緒になるつもりなのだそうです。
間嫁さんは彼のその選択と決断に大いに納得しているようです。
俺の嫁の長い年月を費やした企みは失敗して、彼女は再び本命の女性に敗れ去りました。
一瞬にして。
間嫁さんが使っている興信所の調査で新たな事実が発覚しました。
俺の嫁の高校の卒業アルバムの中に間嫁さんを嵌めたと思われる、彼女の不倫相手の男が写っていたそうです。
全く違う名前で、しかし同級生達の証言でもその男と嫁が当時付き合っていたとか、特別に親しかったというような証言は今のところ出てきてはいなくて、あの件が嫁が仕組んだことだという確証などはまだないようですが、それでも間嫁さんは絶対に俺の嫁の企みだと確信しています。

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飛びっ子◆GplYuWLnjA2008/03/12() 20:25:22
前に初めてその話を聞いた時にもはっきりとは間嫁さんは言いませんでしたが、おそらく彼女はその若い男性のことを愛していたのでしょう。
だからこそどうしても真相をしりたいのでしょうし、自分の真剣な気持ちをおもちゃにされたことがどうしても許せないんだと思います。
今の間嫁さんは自分の離婚の問題や、間男のことなどどうでもいいような感じで、言ってしまえば嫁への復讐に取りつかれた修羅のようです。
俺や間男、そして本命の彼女などの関係者が全て去った後で最後に間嫁さんと、おれの嫁の女二人の激闘が繰り広げられるのでしょう。

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飛びっ子◆GplYuWLnjA2008/03/12() 20:27:59
火曜日の昼過ぎに間男から電話がありました。
本命の彼女とついに再び会うことが出来、二人でやり直すことになったそうです。
まあ、前日に間嫁さんから聞いていたので知っていましたが。
本命の女性も自分から身を引いたとはいえ、当然に気持ちも残っていたでしょうし、なによりもボロボロになり全てを失ってもそれでも自分をひたすら愛し続ける間男を見捨てることができなかったのでしょう。

しかし俺は彼を救うためにやったのでも、嫁に復讐するためにやったわけでもありません。
ただ俺は、自分なりにこの問題にけじめをつけたかっただけです。
まあ結果は俺の予想通りになりましたが・・・

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飛びっ子◆GplYuWLnjA2008/03/12() 20:28:45
彼はこの件のけりを早急につけたら、彼女と一緒にどこかよその土地で静かに暮したいそうで、そのためにも俺とは早急に示談を成立させたいので俺の要求どおり1500万の慰謝料を払ってくれるそうです。
ただ、間嫁さんとの離婚に伴う財産分与でかなりの財産を与えたことと(彼が相続した
財産は実際相続税の支払いやらなんやらでもともとかなり減っていて20憶なんてのには程遠いそうです。)
財産分与って分与したがわが税金払うのですか?なんかそんなこと言ってましてそれにもかなりかかること、あと俺の嫁に彼はすでに別れを告げたそうですが、やはり嫁にもかなりの金銭を支払うつもりであるらしく、とてもそれら全てを払う現金は持っていないので、自分に残った不動産の処分を早急にした上で支払うのでしばらく時間的な猶予が欲しいと言っていました。
なにか残った土地は市街化調整区域の農業振興地域なんかが多いらしく、処分に時間がかかるようです。