彼女の部屋に行くと、彼女が電マ転がしたままマッネ果で寝てた。起こすと「あっ…何で?何で?」動揺する彼女。そして「ごめんなさいごめんなさい」と消え入りそうな声で繰り返した。
[風呂?とりあえず電話して]
[携帯、何回もならしてんだけど。何してんの?]
文章の馴れ馴れしさと、男っぽい素っ気ない文字のみのメール。
「何これ」彼女に問うわけでもなく、ひとりごちる。
「違うの!」何かを否定する彼女。「何が?」似た言葉を繰り返す。
「だから……」言葉に窮し、顔を伏せる彼女。しばらくの沈黙。
外も薄暗くなり、携帯を片手にカーテンを閉めていると、彼女の携帯が鳴った。
例の女性名がサブ画面に表示されている。着信音は聞いた事の無い曲。
彼女を見ると、がくがくと震えている。電話に出てみた。
『もしもしぃ。やっと掛かったwなにしてたんだよ?』チャラい男の声。
『もしもーし!あれ?掛かってるよな?もしもし?』
無言で電話を切る。彼女を見ると、怯え切った目でこっちを見ている。
「今のが相手?」感情を押し殺した声に、ビクッとなる。
「今のが相手か?」繰り返し同じ言葉を投げかける。彼女は微かに頷く。
「呼べ」携帯を投げ渡し、電話をかけさせる。「俺がいる事は言うなよ」
マンガのように無言でコクコクと頷く。携帯を操作し、電話をかける。
呼び出し音が2回鳴るか鳴らないかで相手は出た。
862 :850:2008/10/07(火) 20:30:53
『もしもしぃ!なんで切るんだよ!』相手は何故か怒っている。
「ごめん、携帯の調子悪くて」オドオドと言い訳する彼女。
『あ、そうなの?それより、さっき大丈夫だった?』
「うん……大丈夫」『いきなり気ぃ失うから、マジビビったよ!』
「うん、ごめん。もう大丈夫」『それよか、電マよかったっしょ?』
「うん……あのさ」『マジハンパなくイッてたもんな!』
「あのさ、今からウチ来れる?」『今からぁ?したりねーの?w』
「来れない?来て欲しいんだけど」『わーったよ!すぐ行くわ!』
「ありがとう…待ってるね」『はいよー!全裸で待っとけよ!w』
相手の馬鹿男が無駄にデカイ声で、アホらしい会話を一部始終聞かされた。
沸々と沸き上がる怒りを彼女にぶつけたい衝動に駆られたが、なんとか我慢する。
「じゃあ、説明して」怒気を孕んだ声に彼女は怯え切っていた。
その馬鹿男は、友人の知人らしく、友人とランチに行ったら偶然あったらしい。
最初は三人で飯を食べたり、カラオケに行って俺に対する愚痴や相談をしていた。
ある日、パーティルームがあるホテルに誘われて三人で入ったが、
友人が親に電話で呼び出され、帰っていった後に【なんとなく】関係を持った。
それからは、ずるずると。部屋で何度かセックスをして、電マは今日出してきた。
してる最中に気絶したみたいで、そのまま放置されたらしい。
863 :850:2008/10/07(火) 20:31:47
一通り聞き出し、靴をシューズボックスに入れ、玄関近くの寝室で息を潜めて馬鹿男を待つ。
明かりを消した寝室で待っているうちに、何故か涙が止まらなくなった。
悔しくて、情けなくて。何より俺を信頼して娘を預けてくれた彼女の両親に申し訳なかった。
リビングで彼女の携帯が鳴る。「もしもし……うん……大丈夫、上がってきて」
おそらく『エントランスに着いたけど、部屋に行っていいのか』みたいな事だろう。
程なくして部屋のチャイムが鳴った。彼女がパタパタと小走りで玄関へ向かう。
鍵が開く音。ノブを捻る音。ドアが開く音。この音は今も鮮明に覚えている。
そして下品な声。「おーいw服着てんじゃんw」電話の声の主に間違いなかった。
「やめて」彼女のたしなめる声。俺が冗談で胸を揉んだりするとこう言われていたのを思い出した。
短い廊下を歩き、リビングのドアが開いた音が聞こえ、俺は寝室から音を立てずに出る。
リビングからは下品な声の笑い声が聞こえる。さっきの電話で沸き上がった怒りが再燃する。
リビングのドアを開け、男の顔を見る。大学の部活の後輩だった。
「あれぇ?◯◯さん、なんでいるんすかぁ?」間の抜けた声の質問。
後輩を無視して、彼女に訊く。「こいつ?」こくりと頷く彼女。
「え?なんすか?意味分かんないっすよw」頭の悪そうな声の感想。
彼女を指差し後輩に告げる。「俺の婚約者」後輩の顔が引きつる。彼女は少し嬉しそうな顔をした。
「ごめん、間違った。俺の元婚約者」二人とも同じように顔が引きつった。
867 :850:2008/10/07(火) 20:36:03
それから、明け方まで後輩を尋問。
供述内容はほぼ一緒。セックスしてる途中に「死んじゃう」と言いながら、
彼女が急に動かなくなったから、死んだと思って逃げたらしいが、
あとあと冷静に考えたらそんなはずもなく、電話したりメールを送ってみたらしい。
彼氏の愚痴は聞いていたが、それが先輩だとは思わなかった。
「知らなかったんすよ!マジすいません!」と土下座して来たが、
その頃にはもう制裁は決めていた。
朝イチで上司に連絡し、休ませてもらい、彼女と後輩を連れ彼女の実家へと向かった。
彼女の父親にも会社を休んでもらい、ご両親に事の報告と、婚約を破棄したい旨を伝えた。
母親は「一度くらいの過ちで…」と言っていたが、それを聞いた父親に
「お前にはその過ちがあるのか?」と問われ、以降話し合いに参加しなかった。
その後、父親は力一杯座卓を殴り「◯◯くんにどんな不満があったんだ!」と怒鳴った。
ボソボソと思いついた理由を列挙する彼女にテレビのリモコンが投げつけられ、
タバコが投げつけられ、湯のみを投げつけようとした時にしょうがなく制止した。
父親はなおも敵意剥き出しで彼女と後輩を睨みつけ「◯◯くんにどう落とし前を付けるんだ!」
と凄み、完全に萎縮した彼女と後輩は長年連れ添った夫婦のように揃って土下座をした。
「では、仕事がありますので」と一言残し、車に乗り込んで部屋に戻った。
大学の後輩を総動員して、自分の荷物だけを全て貸し倉庫に移し、
その足で不動産屋に行き、部屋の解約をして、新居も見つけ、会社の寮へと泊まった。
868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:38:06
うーん、せつないなぁ
870 :850:2008/10/07(火) 20:42:10
次の日、父親から連絡があり、顔中に青あざを刻まれた後輩が委任状を片手に、
彼女の荷物の引き取りと鍵の返却、諸々の精算を行ったらしい。
とりあえず彼女の荷物は後輩の実家へ運び込まれ、娘は勘当したとの事だった。
その後、自分の両親の元へ彼女の両親と彼女が謝罪に来て、
連絡の取れない俺にと、引越し資金+αを置いていった。
制裁の締めくくりに、大学の友人知人、会社の同僚、
学外の知り合いなど、彼女の交友関係全てに事の顛末を正しく伝えてもらった。
お陰で彼女と後輩は泣く泣く結婚したらしい。
結婚式には友人が一人も出席しなかった事も付け加えておく。
ちなみに、病的に痩せた俺を心配して、助けてくれた女性と今年の初めに結婚した。
来年の春には三人家族になっている予定でもある。
長くてすいませんでしたぁ!マジハンパねぇっしょ?w
871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:43:15
>>870
結婚した彼女と後輩はどうしてる?
872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:44:47
当時の年齢よろしく
873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:55:49
しかし考えれば考えるほど鬱になる話だな
874 :850:2008/10/07(火) 20:56:46
>>871
仲良く……行くわけもなくw
>>872
俺:25才
彼女:23才
後輩:23才
875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:58:26
>>874
>仲良く……行くわけもなくw



