【1/2】ある晩、翔子のアパートに電話したら出なかった。結局、電話に出たのは翌日の夜だった。サークルメンバーの下宿に泊まったと言っていた。翔子の話し方は少し暗かった。
その日も玄関のチャイムが鳴り俺はいつも通りに玄関を開けた。
いきなり抱きつく翔子。
翔子:「太郎、今すぐ抱いて。今すぐいかせて」
激しく唇を求めてきた。翔子はかなり酔っていた。
俺:「どうした?何かあったのか?」
翔子:「今すぐ抱いて、強く抱きしめて」
これをを繰り返すばかりだった。
俺は求められるまま、シャワーも浴びていないアルコール臭のままの
翔子を抱いた。
いつもは受け身の翔子だったがこの夜は激しかった。
15 :リフレ ◆ZAvD1/b/o. :2013/03/09(土) 09:32:57.90 ID:RKi3j0Wf0
翔子が言うには、サークルのある男に前から言い寄られていて、
今回の飲み会のとき交際を申し込まれ手をつないでこられたりしたらしい。
それで、ちょっと不安定な気持ちになって俺に強く抱きしめてほしかったようだ。
そいつを仮に帝人としておこう。後で出てくる。
確かに前にも翔子から帝人が自分のことを好きみたいだと聞いていた。
一学年下だった記憶がある。浪人で同い年だったかもしれない。
結構いい男らしかった。
サークルでの色恋沙汰は良くあることだ、俺は一抹の不安を覚えた。
それにしても普段『いく』とかあまり言わない翔子が『いかせて』と
言ったことに驚いたが、激しく求められたことはうれしいことでもあった。
---
しばらく離脱します
16 :リフレ ◆ZAvD1/b/o. :2013/03/09(土) 09:57:20.30 ID:RKi3j0Wf0
時がたち4回生の冬になった。
バブルも終焉を迎えつつあったが、まだまだ世間は浮かれている頃であった。
俺たちは二人で相談し卒業後は、地元に帰ることにした。
俺は、大手企業の地域別子会社、翔子は当時急成長していたパッケー
ジソフトの会社にそれぞれ就職が決まっていた。
既に夏休みなど地元に帰った際は、お互いの実家を訪問したりもして
いたので、地元に帰って2・3年もしたら結婚するんだろうなとか漠然
と考えていた。
そんなある日、翔子からの電話で妊娠を告げられた。
覚えがない訳ではなかった。
避妊は当然のごとくしていたが、ちょっとマズったかなという時があっ
たから。
翔子の親への挨拶、両家の親からの叱責、たぶんお流れになる翔子の
就職、1馬力で頑張らないといけないこと等が頭の中を駆け巡った。
だが、数日後に翔子の出した選択は中絶だった。
17 :名も無き被検体774号+:2013/03/09(土) 10:01:06.80 ID:k1GV9g4Q0
うわ…きちんとした貞操観念があるのに
彼女より自分の考えを押し通すってクズだな
それは好きって言うのか
20 :リフレ ◆ZAvD1/b/o. :2013/03/09(土) 10:51:17.73 ID:RKi3j0Wf0
世間体・就職のこと・若いからチャンスがまたあると思う等の理由だったが、
もう一つ卒業前の海外での短期ホームステイにどうしても行きたいというのが
大きな理由として挙げられた。
彼女にとっての初海外旅行であり、長年の夢でもあり、
卒業後行くことはできないから絶対行っておきたいとのことだった。
実は、俺は3回生の夏休み中海外を旅していた。翔子を放っておいて。
だからホームステイが夢だと言われたら言い返せなかった。
俺は結局、若干の罪悪感を感じながらも翔子の言い訳に乗じて中絶に同意した。
中絶した日は二人で泣いた。
今でも罪の意識が残っているが、当時はほっとしたのも事実だ。
俺も屑だな。一度は出来婚の覚悟を決めたのに…。
それからは普通の日々を過ごしていた。お互い堕胎のことは口にしなかった。
ただ前と違うのは、俺からはセクロスを求めなかったことだ、
キス&ハグは行っていた。
いつか元通りになりたいと思っていたが求めていいものかわからなかった。
翔子はそれが不安だったらしい。
前述のように翔子は奥手だったから彼女から求められることは無かった。
卒業が迫ってきていた。
21 :リフレ ◆ZAvD1/b/o. :2013/03/09(土) 10:53:13.00 ID:RKi3j0Wf0
信州でのスキーを楽しんだ後、翔子は短期ホームステイへと旅立った。
羊のほうが多い国だったように思う。カンガルーの国かもしれないが・・・。
空港で翔子を見送った。
その後、俺は下宿を引き払い地元に戻った。
この後ショッキングな出来事が起こるのだが、その前後の記憶があいまいだ。
ショックだったからかもしれない。それでも起こったことが分かるよ
うに書いてみる。
翔子が帰国した時には空港に迎えに行かなかった。
少し前にアメリカに行っていた友人の帰国を迎えに行って、経由地の
韓国で足止めされたため待ちぼうけを食らって、出迎えに懲りたから、
かもしれない。
大学の友人が俺の地元に訪ねてきて近県を旅行していたから、かもしれない。
とにかく迎えに行かなかった。
22 :リフレ ◆ZAvD1/b/o. :2013/03/09(土) 10:56:44.47 ID:RKi3j0Wf0
帰国日に電話したように思う。
数日後に繁華街で待ち合わせたんだと思う。
地元ではなく進学先の繁華街。
書いてなかったが、4回生になって翔子は先輩のアパートをそのまま
引き継いで一人暮らしを始めていた。女子大生専用アパートだった。
電話も引いていた。
ある晩、翔子のアパートに電話した。出なかった。
夜中まで何度かかけたが繋がらなかった。
結局、電話に出たのは翌日の夜だった。
サークルのお別れ会でメンバーの下宿に泊まったと言っていた。
旧帝大の辺りだ。翔子の話し方は少し暗かった。
俺は嫌な予感がした。
23 :リフレ ◆ZAvD1/b/o. :2013/03/09(土) 11:02:23.29 ID:RKi3j0Wf0
数日後、繁華街で一か月振りに再開した。
お土産を受け取った、かもしれない。
いつもは良く話す翔子が無口で伏し目がちだった。
それでも食事をしたり、良く行く雑貨店なんかを巡った、かもしれない。
あまり覚えていない。デートの最後に俺はホテル街に向かった。
ホテル街の入り口にあるホテルの出入り口の前で繋いだ手を強く引っ
張った。
俺:「今からしよう」
下を向く翔子:「今日は嫌だ」
俺:「何で、俺は今したい」
翔子:「嫌だ」
俺:「・・・」
翔子:「・・・」
沈黙が続いた。沈黙を破ったのは俺だった。
俺:「帝人と・・・・・・寝たのか?」
俯いたままの翔子:「・・・・・・(小さく頷く)・・・」
俺:「・・・」空を仰いだ
24 :リフレ ◆ZAvD1/b/o. :2013/03/09(土) 11:05:10.04 ID:RKi3j0Wf0
その後のことはあまり覚えていない。
何でだ、くそぅ、みたいな感情はぶつけたように思う。
お互い今後どうするのかとかは結論を出せないままその日は別れた。
その時聞いたのか、後から電話で聞いたのかは覚えていないが、
お別れ会自体、帝人とだけだったように記憶している。
帝人のアパート近くで飲んで、泊るつもりは無かったが、
酔っぱらってしまって流されたみたいな話だった。
翔子は酒が強かった。本当のところは分からない。
最初からそうなる(泊まってセクロスになってしまう)かもと
予感していたのかもしれない。
中絶後、俺が求めないことを不安に思っていた。
寂しかった。とも言われた。
スキーに行って数日一緒でも何もしてくれなかったとも。
まあ、今思えばテンプレ通りの言い訳もあったかな。
【1/2】
【2/2】



