【1/2】嫁は会社の上司と、以前から想いを寄せ合っていた。そして出張先でキスした。上司に何処かで休憩しようと誘われ、嫁は自分の意思で頷いた。

俺も何の連絡もよこさない嫁の事を心配していた。
しかしトラブル処理に追われてるのかもしれないとあえて連絡しなかった。
でも息子が寝付けず10時頃に「やっぱり心配だから電話してみて」と言ったのを俺は確かに覚えていた。
呼び出し音が鳴っても嫁は出ず、仕方ないので「お母さん頑張れ!」と二人で留守電に入れた。
そのいきさつを常務に伝えた。
みな一様に黙り込んだ。
漠然と事態を察しはじめたC君がスイマセンと謝ってきた。
俺はいいよ彼に言った。
別に殴られたことなどどうでも良かった。

俺はよろめきながら立ち上がった。
常務はどこへ行くつもりなのか聞いてきた。
帰りますと言った。
常務は財布を取り出し、俺に十万を手渡した。
真っ直ぐ帰らないでくれと言われた。
どこか別の宿を探してもいいしカプセルホテルでも良いから、一夜を明かしてから帰ってくれと頼まれた。
冷静になってくれという意味だと俺は察した。

結局その金を受け取って家から一番近いネットカフェで一夜を明かした。
残りは手切れ金かなと考えたが退職金と考えると随分安すぎるなぁとか思った記憶がある。

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 名無しさん@おーぷん:2014/10/08()13:01:21 ID:Uyrbvm7Ol
同じ様な体験談をネットで探してみた。
ここもその一つだった。
どれも(浮気)する気満々のエピソードばかりで何の参考にもならなかった。

そうこうしている内に嫁からメールが届いた。
確か私の愛を信じてとゆうような事が書いてあった。
常務から連絡がいったのだと察しがついた。
とても無機質で白々しい言葉に感じた。
既に夜が明け始めていたので俺は重い腰を上げ、家に帰ることにした。
十余年の中ではじめて家に帰りたくない!と凄く思った。
マンションのドアを開けると嫁が目を真っ赤にして立っていた。
酷い!どうしたの?と俺の腫れた顔を見て頬に手を伸ばした。
俺はその手を振り払った。
嫁は泣いた。
虚しかった。
私を信じられないの?と言われた。

それなら聞くが、あのとき君は何処でなにをしていたのか教えて欲しいと言った。
嫁は「え?」といって俺をみた。
8時頃、俺と息子が心配しているとき、君は何処で何をしていたの?と言った。
息子が寝付けずに携帯に電話して欲しいと言ったとき、君は何処で何をしていたの?と言った。
ひとが心配してる時、君はホテルで上司と関係するつもりでいたんじゃないのかと言った。
嫁は口元を押さえながら嗚咽を漏らして泣き崩れた。
嫁は、でもあの時の二人の言葉で私は変わることができたと言った。
それまでの自分とそれからの自分は別人だと言った。
二人が私を生まれ変わらせてくれたと言った。

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 名無しさん@おーぷん:2014/10/08()13:01:42 ID:Uyrbvm7Ol
俺は真実を全てつまびらかにして欲しいと言った。
何故上司に思いを寄せていたのに俺と結婚しようと思ったのか
何故結婚して子供ができてもなお、二人で飯を喰いにいったりしたのか
その心境を教えて欲しいといった。
嫁は口元を押さえて激しく首を横に振った。
言ったら許してくれなくなっちゃうと言って嗚咽を漏らした。
真実を知ることが出来なければ許すどころか君を憎しみ続ける事になるだろうと言った。
嫁は暫く子供の様にしゃくり上げていたが、ゆっくりと真実を話し始めた。

俺と付き合う前から嫁と上司はお互い想いを寄せていたこと、
しかし嫁は上司の家庭を壊したくないと思っていたこと、
上司もそれは望んでいなかったということ、
だからたまにご飯を食べにいくだけの関係を続けていたこと、
でもこのままだといつか間違いを犯してしまうと危機感を募らせていたこと、
そこに俺との見合いの話が舞い込んできたこと、
それを機会に会社から退こうと思っていたこと、
しかし社会復帰して再び上司への想いが募ってしまったこと、
このままではいけないと思っていたけど食事だけならいいのではと自分に言い訳しながらズルズルいってしまったこと、
そこに例のトラブルが起きたこと、
クビ覚悟でいたのに上司が全て解決してくれたこと、
気持ちが舞い上がってしまったこと、


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