【3/4】送られてきたカセットテープを再生した。「千春は悪い子だねえ・・ほらイク前に彼氏の名前言ってごらん?」「ごめんね良ちゃん・・ごめんねえあぁぁぁぁぁ!」彼女の声だった…

【1/4】 【2/4】 【3/4】 【4/4】

114  良介@(藁)  03/07/03 00:59 ID:Fd9J6JdJ
千春が下を向いたまま激しく頭を横に振った。

「俺はこの結論を出すまで、本当に悩んだよ。
 死ぬほど悩んでも答えが出ないくらい千春が好きだ。」

涙声になってしまった。

「私は・・」

「何も言うな」

何か言おうとした千春を制した。
いい訳は聞きたくなかった。

千春のいい訳を聞いたら、又元に戻ってしまいそうだった。

117  良介@(藁)  03/07/03 01:03 ID:Fd9J6JdJ
「私は別れたくない・・別れない・・別れない・・・」

私は何も言わなかった。
千春はまるで念仏でも唱えるようにその言葉を繰り返していた。

「送っていくよ千春。荷物は後で送る。」

しばらく千春はその場を動かなかった。
私も何も言わなかった。
そして再び私が千春に話しかけようとした時、
今度は千春がそれを制した。

「いい。1人で帰れる・・」

千春は周りに散乱した磁気テープをかき集めると、
自分のバッグへしまい込んだ。
 
  •  

  • 118  良介  03/07/03 01:06 ID:Fd9J6JdJ
    千春が玄関へ向かった。

    私は振り向かなかった。

    やがてドアノブの乾いた金属音が部屋中に響いた。

    「良ちゃんが好き。死ぬほど好き。」

    千春はそう言葉を残し、部屋を後にした。
    千春から好きという言葉を聞いたのは
    交際してから初めてだった。

    そして皮肉にもこれが千春の最後の言葉だった。

    120  えっちな21禁さん  03/07/03 01:09 ID:Wd67KkE+
    >>118
    さいご?さいごってなんだよおおおおお!!????

    132
      良介@>>128まったくだ。  03/07/03 01:28 ID:Fd9J6JdJ
    あれから3ヶ月が過ぎた。

    この3ヶ月間で驚く程環境が変わった。

    携帯電話の番号が変わった。

    アドレス帳から千春の名前が消えた。

    住所が変わった。

    そして職場が変わった。

    あれからすぐに千春の荷物を、千春の自宅へと送った。

    幸い仕事に忙殺され、しばらく千春の事を忘れることが出来た。

    158  良介  03/07/03 11:26 ID:6sKJFxDE
    私の新しい生活が既に始まっていた。
    千春が全てだった私にとっては第2の人生と言っても過言ではなかった。
    新しい職場に慣れた。
    新しい仕事に慣れた。
    新しい仲間が出来た。

    後は新しい生き甲斐が見つかればいい。

    千春との別れを選んだ私の判断は間違っていなかった。

    それなのに・・・

    その日玄関のドアを開けると、
    そこに大きな荷物を抱えた千春が立っていた。

    161  良介  03/07/03 11:44 ID:6sKJFxDE
    胸が締め付けられた。理解出来なかった。
    なぜ千春がここにいるのだ。

    「良ちゃ・・」
    「何でここが解った!?」
    「良ちゃんのお父さんに聞きました・・・」

    実家には新しい住所は誰にも教えるなと言っておいた筈だ。

    「突然押しかけてごめんさい。でもこうするしか・・」
    「何しに来た?」