男は言った。私の妻と不倫してると。本当かと妻に問うと小さな声で本当ですと言い両手で顔を覆った。その手に妻は指輪をしていなかった。僕は思わず自分の左手の指輪を見てしまった。
こう考えるのは非常に苦しかった。だから連絡できなかった。
君は、自分の責任意識から別れたいと思っているに違いない。
それなら話は違ってくる。
責任は僕にもあり、お互いに許し合う問題だ。
必ず幸せにするとは言えないが、僕は最大の努力をするつもりだ。2人で幸せな家庭を作る。約束する。
もう一度、自分で考え直して欲しい。あの男と別れて欲しい。
何回か同じ言葉を繰り返したが、妻はそれに応えることもなく力なく首を横に振っていた。
早く楽になりたいという妻を見て、僕が時間を必要としていると以上に妻も時間が必要だと感じた。
207:名無しさんといつまでも一緒:2014/12/23(火)09:42:33.02ID:eIdvUlSY9
弁護士に、僕の本心は元の生活に戻ることであり、僕の過ちの許しを得たいと伝えると、
あなたは何の責任もない。貴方が悪いとは誰も言っていない。
夫の仕事が忙しいことが不貞の理由にはならないという。
しかし、代理人の書類を示しながら、彼女は別れたいと言い、あなたは別れたくないという。
彼女があなたの元に戻った時、彼女が受けるストレスをあなたは想像できていない。
彼女の不貞行為はあなたに大きな傷を負わせたはずだ。
これが原因で離婚する場合、示談で済ませる、浮気の代償としてお金で解決するケースが多いのですという。
話し合いがうまく行かない場合、妻側が裁判所に離婚調停を申し出ることも出来る。
しかし、あなたが反対すると調停は成立しない。
強制力が無いからですと。
最後に裁判に訴える手段もあるが、今回は妻側に責任があり裁判に持ち込むことは出来ないのですという。
確かにあの男は、償いは何でもすると言っていた。それは慰謝料を払うという意味だったのだ。
妻を見ていると、精神状態は非常に危なっかしい。そのために早く決着しないといけない。
弁護士に対して、この1年ぐらいの間、妻の気持ちも知らずに仕事にかまけてしまった。
彼女は僕の心を見失ったんじゃないか。
だから彼女だけが悪いわけではない。
今の僕は、彼女のためなら何でも出来る。浮気だろうが不倫だろうが、僕にとっては大したことはない。
仕事だって辞める覚悟がある。話し合いを続け許しを得たい。
妻は、多分、自分の過ちを引きずって元に戻ることは難しいと考えるに違いない。
誰だって過去は存在する。僕と再婚すると思えばいい、と必ず伝えて欲しい。
208:名無しさんといつまでも一緒:2014/12/23(火)11:17:09.69ID:eIdvUlSY9
もう一度、2人だけで話させて欲しい。更に加えてこうも言った。
弁護士さん、あなたは妻が平常心を維持していると思いますか?あの男に引きずられているのではないか。
妻は、僕と別れたいと言っているが、実際は妻が浮気した自分から逃げたいのだと思う。
このまま別れると妻は何かを失い、心に傷を負ってしまう。
それを僕は恐れると。
その傷を回復するには僕のところに戻ることだ。お互いに許し合うことだ。
僕が許され、彼女を許すことが出来れば、仮に別れたとしてもいずれ妻も僕も元の自分に戻れるだろう。
しかし、あの男は何を失うでしょうか?
あの男は他人の人生に入り込んで、妻に一緒になろうと誘ってる。その結果、妻は平常心を失っている。
紳士面して彼女の心の隙に付け込んだあの男は絶対に許せない。
彼女を幸せに出来るはずがない。絶対に一緒になって欲しくない。
僕の言葉は激しいものだった。
僕が彼女を幸せにするから、もう彼女には関わらないでくれと伝えて欲しい。
弁護士は、私はあなたと離婚条件について話し合うために2人から代理人の依頼を受けたのです。
奥さんとは何回かお話した。
平常心を失っているとは思わないし、彼女は既に結論を出しています。
2週間後にあなたは海外に赴任すると聞いていますので決着を急いでいますという。
僕も、妻が本当に別れたいのならば転勤前に結論を出したいが、
僕のため妻のために、お互いが理解し合うまで会話することだと応えた。
209:名無しさんといつまでも一緒:2014/12/23(火)11:40:44.11ID:eIdvUlSY9
それから数日後、僕の希望によって、再度、妻に会った。
同じ弁護士事務所だった。
妻は、あなたには着いては行けないという。今日も顔色が悪く声も少し震えていた。
あなたはお互いに許し合うことが大事と言っているが、その必要はない。顔を上げなかった。
一体、この数日の間に何があったのか?妻は変わってしまった。
明確に別れたいという意思表明だった。許しをこう言葉もなかった。
戻ってほしいという僕の甘い期待は一瞬のうちに吹き飛んだ。完全に落ち込んだ。
後は弁護士さんとお話して欲しいと言い、応接室から小走りに出て行ってしまった。
この間、たったの2、3分。
今日の妻は感情を失った操り人形のようだった。
僕は呆然としてしばらく動けなかった。これが話し合いか?
弁護士が入ってきて、彼女の意思は確認できましたね。
もう話し合いの必要はありませんと。
僕は思考停止状態だった。しばらく応えることが出来なかった。妻の態度にショックを受けていた。
僕も悪かったし妻も悪かったのに、過去を遮断するような妻の態度は全く信じられなかった。
弁護士にその旨伝えると、早く別れたい気持ちが現れだという。
更に追い討ちをかけるように、2、3日前から僕の妻はあの男と同居始めたと付け加えた。
210:名無しさんといつまでも一緒:2014/12/23(火)12:17:51.28ID:eIdvUlSY9
頭に血が上った。許せない気持ちになった。顔が赤くなったと思う。下を向いて感情を押しころした。
これで僕は離婚するしかない状況に押し込まれたのだ。
彼女の会話拒否を指導し、このシナリオを書いたのはこの弁護士か?そうとは思えない。
僕の妻が他の男と同居することは許されるのか?
弁護士は、民法では認めていないが、罰則がない。