【1/2】妻が震える声で言った。「本当にごめんなさい。あなたには何とお詫びしたらいいかわからない」床に額をこする妻の姿を見て、俺は泣きそうになった。すべて夢ならとさえ思った。
【1/2】
【2/2】
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 12:45:01.99 ID:
妻との出会いは社会人一年目、23歳のときだった
会社の近くのレコードショップをぶらぶらしていると、熱心にCDを見ている女性がいた
それが妻だった
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 12:48:57.12 ID:
しかしまあ初対面。というより対面ですらなく、俺も一目惚れとかそんなロマンチックなものはなかった
「俺と似たような音楽聴くんだなあこの人」くらいにしか考えていなかった
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 12:52:20.27 ID:
その後も何度かそのショップに通ったのだが、頻繁に彼女を見かけた
そのたびに彼女の手にとっているCDが自分の趣向に近いものだったので嬉しくなり
ついに何度目かで彼女に話しかけることにした。ちなみにその時点では下心も恋心も全くない
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 12:56:56.00 ID:
俺「あの時間あれば食事にでも行きませんか?もっとあなたと話したいです」
嫁「えっ?あ、あの……」
俺「ダメですかね…?」
嫁「い、いえ…お願いします」
歯切れの悪い彼女を見て「まさか俺はデートの誘いをしてるようなものなんじゃないか?」と恥ずかしくなったのを覚えている
ちなみに後に妻から「男の人に誘われたりしたの初めてだったから恥ずかしかった」と言われた
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 12:59:03.61 ID:
>>19
かわいかったかどうか
>>19
愛嬌のある顔だと思う
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:01:51.70 ID:
食事の時間はとても楽しかった。彼女は饒舌ではなかったが、俺の話を良く聞いてくれて笑顔も見せてくれた
その笑顔があまりに魅力的で、俺は彼女に恋をしてしまっていた
別れ際に次の約束をした。それから毎日が楽しくて仕方なかった
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:04:26.45 ID:
なんだか切ない結末を迎えそうで怖い
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:05:03.01 ID:
そのデート?も何度か重ね、ますます彼女への想いを募らせた俺は、次のデートの終わりに告白しようと決意する
しかしなんとその前に彼女の方から告白してきた。それはデートの最中、ピザに大量のタバスコをかけている時だった
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:07:25.86 ID:
嫁「あの、俺さん」
俺「はい」
嫁「その…私と付き合ってください」
俺「へ?俺?」
嫁「はい。俺さんが好きなんです」
俺「俺もです!!!!!」
ビックリしてすごい大声で返事をしてしまった。妻は「ああよかった」と笑っていた
ちなみにピザはむせるほど辛かった
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:11:20.28 ID:
つまんね
自分語りとかよそでやれよハゲ
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:13:04.66 ID:
それからはとんとん拍子で結婚までいった
出会ったのが春、付き合いはじめたのが秋。それで翌年の秋に結婚した
妻の頑固な親父さんのパンチは凄まじく痛かった
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:15:55.96 ID:
社会人二年目で結婚するのは早いと思うかもしれないが
ある意味では幸いにも、既に両親が他界していたため持ち家があった
社会人の兄と二人暮らしをしていたが、兄は俺たちのために一人暮らしをはじめて家を空けてくれた
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:21:11.08 ID:
妻は仕事を辞めた。まあ俺も稼ぎは悪くなかったので頑張れば何とかなると思った
というより妻と生まれてくる子どものために頑張らねばと思った
そしてその子どもは結婚のわずか3ヶ月後に授かった。ちなみに俺と妻は初めて同士の結婚だった
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:27:02.59 ID:
そして翌年の秋の終わりに子どもが生まれた。元気な男の子だった
俺はよりいっそう仕事に励んだ。妻との関係も良好だったし、順風満帆だと思っていた
ただどうやら俺たちはすでに問題を抱えていたみたいだ
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:32:56.81 ID:
妻は掃除と料理が苦手だった。
しかし俺は妻の料理がマズいとは思わなかったし、掃除だって妻が出来なければ俺がやればいいと思った
先述の通り兄との二人暮らしが長かった俺は家事もある程度できたので、料理も積極的に手伝った
ただそれがいけなかった
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:36:11.59 ID:
長男の出産からおよそ2年後、再び妻が身ごもった
俺は浮かれていた。今度は女の子がいいなあと考えたりしていた
そんなある日に一本の電話がかかってきた
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:40:03.42 ID:
俺「もしもし」
?「俺さんですか?」
俺「はい。どちら様でしょうか?」
?「わたくし、佐藤と申します」
俺「はい」
佐「実はうちの主人とあなたの奥さまが浮気したらしいのです」
俺「えっ」
佐「つきましては4人でお話を……」
後半部分はあまり耳に入ってこなかった
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:41:26.70 ID:
ぐぬぬ…
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:43:26.34 ID:
電話を切るとすぐに、妻に事の真偽を訊ねた
俺「いま電話があって」
嫁「うん」
俺「君が浮気してるって…」
嫁「えっ……」
あとは妻が泣き出し話ができる状態じゃなくなった
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/17(土) 13:46:08.91 ID:
しばらくするとチャイムがなり佐藤夫婦が訪ねてきた
夫は俺を見るなり土下座し、妻はその背中を叩きながら泣いていた

