嫁と知らない男が腕組んでマンションに入って行くのを見た。俺は右手に包丁、左手に数本のナイフを持って物音のする寝室向かった。
567 :539:2005/10/03(月) 01:18:20 ID:D9EK9OAh0
日曜日に沙織を迎えに行き、お義父さんから「勝手なお願いだとは分
かっているが、●●君がよければ、このバカ娘のことを見捨てないで
やってくれないか?」とか言われて、そのお義父さんの様子を見て思わず
「はい」と答えてしまったりしつつ家に帰った後、
俺は沙織に幾つか条件を出した。
1:会社は辞め、専務とは連絡を取らない。
2:退社の手続きは全て俺に任せて沙織は一切関わらない。
3:俺も出張は出来るだけ減らすが、俺が出張の時は実家に戻る。
4:俺が完全に信用するまで、再就職はしない。
5:俺が許可を出した時以外は遊びに行かない。
6:一ヶ月間一緒に暮らしたあと、最終的な結論を俺が出す。
7:一ヵ月後に俺が“やっぱり別れる”と言った時は文句を言わずに別れる。
最後の7つ目はさすがに渋ったが、
「そうでなければすぐに別れる」と俺が主張したので
沙織も受け入れた。
568 :539:2005/10/03(月) 01:19:17 ID:D9EK9OAh0
沙織の会社には次の日、俺が有給を取って話をしに行った。
「すいません、■■専務は居られますか?」
「(受付嬢)アポイントメントはお取りでしょうか?」
「いえ、取っていないんですが、●●と言って頂ければ分かると思います」
「(内線でやり取りして)申し訳ございません、
■■は存じ上げないとのことなんですが……」
おいおい、無視かよ。
「あ、そうですか。
それでは、総務に▲▲沙織さんという社員の方が
いらっしゃると思うのですが」
「はい、▲▲ですね。少々お待ち下さい」
「いえ! 呼んで頂きたいのではないんです。
今日は休んでいるはずですし」
「はぁ……」
「■■専務に“あなたが浮気して現場を見られて
パンツ一枚で逃げ出した▲▲沙織の夫が
来ている”と伝えて頂けませんか?」
「はぁっ? あ、少々、お待ち下さい……」
569 :539:2005/10/03(月) 01:20:13 ID:D9EK9OAh0
専務に会うまでに上のようなやり取りがあったりしたが、
包丁とナイフが効いたのか上の
受付嬢にバラしたのが効いたのか、こちらの
「沙織は先週末付で退職処理」
「もうこの会社には来ない」
「退社手続きや引継ぎの問題はあんたが
自分の責任できっちり行っておくように」
「それさえ満たしてくれれば、
これいじょうあんたにどうこう言うつもりは無い」
という要求はすんなり受け入れられた。
そんなに大きな会社ではないし、どうとでもなるだろう。
逆に大きな会社ではない分受付嬢から噂が広まるのも速いだろうが、
知ったことじゃない。
571 :539:2005/10/03(月) 01:21:05 ID:D9EK9OAh0
それからの一ヶ月間、俺はことあるごとに沙織を苛めた。
俺自身が自分を嫌になるくらいに何かあれば沙織で鬱憤を晴らした。
申し訳ないんですが、自己嫌悪で沈みそうになるので詳細は略させて
下さい。
ただ、時々沙織が何故か嬉しそうにしているのがなんとなく気になっ
てた。そして約束の一ヶ月間の最後の土曜日に、ふとした思い付きで
こんなことを言ってみた。
「ああそうだ、沙織。
今ちょっと持ち合わせが無いんで4万ほど貸してくれるか?」
「4万円? 分かりました、ちょっと待っててね」
この頃 沙織は気を使ってるのか敬語なのか
丁寧語なのかなんだかよくは分からない口調になってた。
「はい、4万円。でも何に使うんですか?」
「ああ、たいした事じゃない。ちょっと風俗行って女抱いてくる」
「えっ?! あっ、あのっ、風俗って……」
そりゃ驚くよな、自分の彼氏にいきなりこんvなこと宣言されたら。
572 :539:2005/10/03(月) 01:22:04 ID:D9EK9OAh0
「あん? 言った通りだよ。
お前を抱く気もしねーし、風俗ですっきりしてくる」
「あ……いや……あの……ほ、本気……?」
予想通り涙ぐんでた。
「当たり前じゃん。ほら、旦那様のお出かけなんだから御挨拶は?」
「ひっく……ぐすっ、い、いって、らっしゃい……ぐすっ」
「ん、そうじゃないだろ? “どうかすっきりしてきて下さいませ”だろ?」
正直、言ってから“これは耐えられないだろ”と思った。
最初から風俗に行く気は無かった(つーかほとんど行ったこと無い)が、
この1ヶ月も本当に沙織に何もしてない上に、
出来るだけ楽しそうな声と表情で言ってたし。
でも、驚いたことに涙でぐちゃぐちゃになりながら
沙織はなんとかその通りに挨拶した。
「うっ……ど、ぐすっ、どうか……すっきりして、
ひっく、きて、下さいませ……ひっく」
574 :539:2005/10/03(月) 01:22:54 ID:D9EK9OAh0
居間に向かい合って立ちながら、俺は思わず沙織に聞いてみた。
「あのさ、お前どうしてそこまで耐えんの?」
「えっ?」
「普通ここまでされたら我慢できなくならね?」
「ぐすっ、でも、最初に間違ったのは、私だし。 それに……ぐすっ」
「それに、なんだ?」
「●●が……はっきり感情を見せてくれるのが、嬉しかった、から……」
一瞬、マジで意味がわからなかった。
「感情? こうやってお前に当り散らしてることがか?」
「うん、何か●●って、見えてる部分で楽しんだり、
怒ったりしてる時も、見えない部分で
別のこと考えてる気が、ずっとしてたから」
意味わかんねーと思いながら、
とりあえず座って話を聞いてみることにした。
「それで?」
「最初は、なんかそんな部分が不思議で、
そういう所も好きだったんだけど、だんだん不安に
なってきて……」
576 :539:2005/10/03(月) 01:23:34 ID:D9EK9OAh0
「だから浮気なんかしたってのか?」
「ううん、違う。出張で寂しかったのは本当。
でも、いま私の前で喜んでる●●が、本当に
嬉しいと思ってくれてるのかとか、わかんなくなっちゃって」
確かに、人から理屈っぽいと言われることはよくあった。
“感情が理屈に合わないなら感情を引っ込めろ”というのが持論だったし。
でもまさか沙織に疑われてるとは思ってなかった。
「お前は馬鹿か?
俺が心の底でどう思ってようと嫌なら最初から付き合ってねーし、
お前が問題起こした時だって、それがどうしても許せないことなら
その時点で別れてるよ」
「うん……ごめんなさい」
「ったく、そんなことでいちいち疑うな。
俺が感情より理屈を優先するのはそうする必要が
ある時だけで、お前に何かされて嬉しい時に
それを抑えつける理由なんて無いじゃねーかよ」
「うん……ありがとう」
なんかいちいち当り散らしたり怒ったり悩んだりしてるのが馬鹿らし
くなってきた。
577 :539:2005/10/03(月) 01:24:43 ID:D9EK9OAh0
「あーもう、分かった、まだ一ヶ月経って無いが、
仕方ないから許してやる。但しこれが最後だ。
今度裏切ったら問答無用で叩き出す」
「本当っ?! あ、ありがと。もう絶対浮気なんてしない!」
「はいはい、一応信じとくよ。あ、この4万返すな」
「あ、うん。……でも、ふ、風俗は……?」
この一言で只でさえ馬鹿らしくなったのに最後の力が抜けた。
「馬鹿だろお前! 最初から行く気なんかねーよ!
いいからさっさとお義父さん達に連絡しとけ!」
と言うところでENDです。
2年前の話なんで覚えてない部分は脚色入ってますが、
大筋はこんな感じでした。
書いて読み直してみると、自分が凄い嫌な奴で自己嫌悪……。
それではお目汚し失礼しました。
579 :えっちな21禁さん:2005/10/03(月) 01:29:11 ID:Yf/fRpF00
浮気した女と相手の男をに屈服させる話って見てて面白い
主人公の理屈くさい言い回しも結構好みだ



