【1/3】間男とやってた嫁は「間男との別れ話は済んだんだよ。あんたんとこに帰るって言ったら間男は良かったねって... だから、お別れの前に最後にもう一回って...」とのたまったw
「離婚届を希望した場合にどんな対応が・・・」
まさか「それは残念でしたね、少々・・」はあるまい。
17: 賢治:04/05/13 14:03
ID:gKazDDC2
「すいません、離婚届を下さい」
そう、先ほど幸せそうなカップルにこやかに応対した職員に申し出た。
「はい、少々お待ち下さい」
真顔ですっと立ち上がり書類を差し出すと
「記入方法はこちらに書いてありますので」
とサンプルのコピ-を一枚を重ねた。
その素っ気無さに悪戯心がおこり(悪い癖なのだが)
「あの、申し訳ありませんがもう一枚頂けませんか」
と言うと
「はぁ・・」
と言うので
「実はまだ、修羅場が済んでないもんですからもしかしたら破られるかもしれませんので」
「そうですか、じゃあもう一枚お持ちください」
どこまでも真顔で応対する女性職員であった。
18: 賢治:04/05/13 14:55
ID:gKazDDC2
離婚届作成に伴い謄本をとり寄せてみると、奇しくも入籍の事実も六月中旬と記載されていた。披露宴は三月に執り行い、と同時に結婚生活を始めた。無論記念日も同様であったがその際に妻の母親から
「入籍の判断は私にまかせやね結婚はしたわすぐに別れたわじゃあ、戸籍が汚れるだけやからね」
そう言われた事を思いだした。思えば最初から「添い遂げる」可能性に擬ありとするこの人の下、始まった結婚生活であった。
19: 賢治:04/05/13 15:11
ID:gKazDDC2
「あんたはこんなもんばっかり食べて育ったやろぉ」
台所に立っていると突如訪問した妻の母親は
「お母さんも食べますか」
そう言って差し出したお椀の中を覗いてそう言った。
ひっつみ(すいとん)は子供の頃私の好物であったと同時に、それを食する事は今や故郷を思う一つの術でもあった。
「おばあちゃんも食べなよ、おいしいよ」
そういう孫の声に
「いらへんいらへん・・おばあちゃんな、そんなんよう食べへんねん」
そう顔をしかめて言った。
「あんたは育ちが悪いから」
「家の格が違う」
「あんたは品がないから」
どれだけこの人に言われた事だろう。
20: 賢治:04/05/13 17:18
ID:gKazDDC2
通代の母親の話は枚挙にいとまがない。
そういう意味では、通代との結婚生活においても同様である。
また、そのひとつひとつを列挙する事はその労もさる事ながらその労を上まわる不愉快な想いがある為省略をする。
離婚も成立し制度上は全くの他人であるが、元より彼女の一人相撲で展開した成り行きであるのだ。通代が家を出て三ヶ月余りが過ぎた頃・・・ 修羅場を演じて離婚した理由でもなく憎くもない元妻の通代の住まいを訪ねてみる事にした。
そこには・・・ それまでは離婚に際してさほど「我が身を削る」想いもしなかった私に、あまりに厳しい現実が待っていた。
21: 賢治:04/05/14 09:28
ID:2cLMr8uP
通代が水商売に生活の基盤を見いだした事はさほど驚きではなくむしろ予測の範囲だった。当然帰りは真夜中になるというので一時をまわってから家をでた。突然の訪問ではあるが
「どうせ飲んでばかりでロクな物食べてないんだろ」
という大義を繕う用意があった。今晩は早い時間からそのつもりで、夕食用の餃子を多めに包んでおいて持って来た。通代の好物でもある。
「一人暮らしも寂しくなって来た頃であろう・・元夫のこの、はからいに感激する筈だ」
私には明らかに、そういうもくろみがあった。
いや、そのもくろみが強かったと言おう。
22: 賢治:04/05/14 09:47
ID:2cLMr8uP
ドアのノブに手をかけ回すとカギは開いていた。
「こんな時間にカギが開いてる」
そう思ったが、それは突然の訪問を演出するには有り難い程好都合である。そっと覗くと左手にキッチン、右手にバス、中央の廊下の奥にドアがあった。一歩玄関に踏み入った時、初めてそこに男性用の靴がある事に気づいた・・。
と同時に、奥のドアの向こうから営み中の男女の声が無防備に聞こえて来た。明らかに通代のそれであった。
23: 賢治:04/05/14 13:18
ID:4OWsEWar
「仕方がない、通代と俺とはもう他人なんだ」
家を出て三ヶ月も経ち、通代には職場というあらたな出会いの場もあったのだ。既にその様な存在があっても突拍子もなくおかしくはないのだ。流れる涙を拭きもせず泣いた初めて己の浅はかさに悔し泣いた。
「通代を手放したくはなかった」
そうはっきりとそして強く自覚した。
家を出るという妻に対して、夫婦の間の「駆け引き論」を念頭に置く浅はかな男である。
「どうせ直ぐに戻ってくる」
どこまでもそんな見当違いが邪魔をした。
どれぐらい後悔しても遅いのだ・・・私は幼い子供の様に泣いた。
24: 賢治:04/05/14 15:51
ID:6s8gmoPp
例えようのない感情の波が、押し寄せては私自身を押し潰した。
「あ、あ、あ、あ、う、うう・・・」
ちっぽけな男が、声にならない声をこらえきれずに漏らして泣いた。
歯を喰い縛ってしゃくり上げると、鼻の奥を削られるような痛みがはしった。つらさが短時間で限界に達し思考回路を占領すると
「まあいい、しょうがない」
一瞬、そう思おうとするが直にまた堪えきれない感情が襲う。
繰り返す中、永遠に続くかとも思われた夜が明けた。
子供達のはしゃぐ声を背に朝食の準備をしながら・・
「すまない・・」
かろうじて維持する理性が、今度は子供達に申し訳なく思わせ涙を流させた。
25: 賢治:04/05/15 08:35
ID:ZkbZgo8n
通代が誰かに抱かれているという事実をあれ以上に残酷に告知される事はない。しかしそれをまた知らぬ当人からは極々普通に連絡がある。
「今度の日曜は暇やから、一日子供みとるであんた少しゆっくりしいやぁ」
子供と離れて生活する中での心境の変化か・・・
意外な申し出に応える事にしたが、しっかりと化粧をを施し派手目の服装の通代を直視する事は出来なかった。
26: 賢治:04/05/16 07:59
ID:II91w+6G
久々に自分の時間を持ち落ち着かない気分で家を出た。
とりあえず仕事場でゆっくりコ-ヒ-を飲みながら朝刊に目を通す。
近日中、頭を離れなかった悪夢がこの時間は意外にも霞んだ。
仕事場を出ると隣のパチ..店に入った。
チェーン店の中でも客入りは悪いが、妙に落ち着く場所であるのだ。
小一時間も経つと、ここまで使われなかった運が一挙に噴出したのか
どうか・・・・いつになく好調だ。
「こういう事もなきゃあな」
などと呑気な気分になり掛けた時、携帯が鳴った。
「早く帰って交代してぇ。とってもじゃあないけど疲れて面倒見切れへんわぁ」
今日一日、子供の世話をすると言った通代からそう連絡があったのは私が家を出て、まだわずか二時間余りの事だった。
27: 賢治:04/05/18 08:23
ID:/ECRmqr9
通代に男がいたのが実は私の妻であった頃からと知ったのは・・・それから間もなくであったが、それさえも霞む衝撃が私の平静を揺さぶった。
「森上さんのお宅ですか、焼津警察署ですが・・」
通代が飲酒運転の上、人身事故を起こしたというのだ。
「それもね人をはねた後、逃げてるんですよ」
お宅の奥さんが・・・という警察官の言葉が気に掛かったがとりあえず聞き流した。
「すいません、通代と代わって頂けますか」
「お前、俺の女房だって名乗ったのか?」
「だってこんなん、私一人じゃあ何とも出来んじゃん」
「私一人ってお前、・・・男がいるんだろ!?」
「え・・・・」
28: 賢治:04/05/18 08:54
ID:/ECRmqr9
翌日、通代が仕事をあがった後に会う事になった。



