【1/3】間男とやってた嫁は「間男との別れ話は済んだんだよ。あんたんとこに帰るって言ったら間男は良かったねって... だから、お別れの前に最後にもう一回って...」とのたまったw
午前1時の待ち合わせに、30分程遅れて現れた通代は本人の話通りどこから見てもホステスだった。
「仕事はちゃんと行ってるのか・・」
「うん嫌なお客もいるし、やんなっちゃう時もあるけどね」
「そうか・・」
仕事が終わった直後の通代と話をするのは、初めてではなかった。
その度に、疑問には思ったが口に出来なかった一言をためらいもあったが・・
「聞くけどさ・・・お前ホステスしてるって言うけど仕事帰りに会って酔ってた事ないけど、ホステスじゃなくて風●で働いてるんじゃあないのか・・?」
と、一気に言葉にした。
29: 賢治:04/05/18 09:05
ID:/ECRmqr9
「わかったかぁ・・・私ね、上手になったんだよ」
大して悪びれるでもなく話す道代に、間をあけずに応えることで自分の動揺を隠した。
「そうだと思ったよ、でもさあ元亭主として言わせてもらうけどさ・・お前程度のテクで商売になるのか・・?」
うまく切り返したと思ったが次の通代の言葉に流石に表情がとまった。
「馬鹿だねあんた、女だっていうだけで商売にはならないんだよ・・最初はちゃんと、お店の上司とかで何度も練習するんだよ」
30: 賢治:04/05/18 09:39
ID:/ECRmqr9
「そうか役得だなあ、そいつら・・」
辛うじてそう流してから、慌ててニヤケ顔をつくった。
数ヶ月前まで夫婦であった二人の会話であろうか。
しかし元亭主である私に淡々と話す通代に怯む理由にはいかなかった。いや、その駆け引きに集中する事がその場をしのぐ唯一の手法だったのだ。後日、しばらく続く苦悩の日々を思えばよくぞこの場限りにしても、あの程度の動揺に押さえられたものだ。
31: 賢治:04/05/18 13:33
ID:zUu1DFES
その後何かにつけ、保身の為にはあらゆる嘘をつき通そうとした通代が・・ 風●店で働いている事だけはアッサリと認めた。家を出る事も止めず、離婚届の提出も躊躇しなかった私の反応を伺ったのか・・いやそうではない。それからの通代は会う度に平気で仕事の話をするようになった。
「今日ねお客でK戦士のあの人来たよ」
などとはしゃいだり・・
「変なとこにマ-クつけたがるお客がいてさ」
と、まるで普通の職場での愚痴のようにつぶやいた。
私は元夫として・・・
どこまでも理解のある人間になりかったのだろうか。
それとも、つまらない意地の為に通代に対する未練を何処までも隠し通したかったのだろうか。
何れにしろ通代の風●店勤めを放置した代償は、すぐに思い掛けない形で降りかかって来た。
32: 賢治:04/05/18 13:53
ID:zUu1DFES
毎日午後6時になると、仕事を中断して保育園のお迎えに行った。
私は一日の時間の中でも、この時間が好きだった。
土手沿いに歩くその道は距離も程よかった。
なかなか、父親と一緒にいる間もない小学生組もよく、この散歩がてらのお迎えに参加した。歩きながら様々な話をする、学校の事、友達の事・・ 子供達が競うように、私と話したがる事も愉快で幸せだった。また、保育園組が・・迎えに参加してくれた小学生組に
「まな~!」
「しん~!」
と、名前を呼びながら嬉しそうに抱きついていく光景を見る事も親として幸せな瞬間であった。
33: 賢治:04/05/18 14:08
ID:zUu1DFES
そんなある日のお迎え・・
「森上さん、ちょっと・・・」
と、園の先生に呼び止められた。
「あの・・」
と一度はためらいながら
「お子さんのお母さんを、お母さんの職場で見掛けたという御父兄がいらっしゃるんですけど・・」
・・・・・・・と続けた。
物を持ってまわった口調に何を言わんとしているかが強調された。
「通代が風●店で働いている事が見つかったのだ」
そう思うと血の気がひいた。
34: 賢治:04/05/18 14:18
ID:zUu1DFES
「お父さん、御存知だったんですか・・」
と聞かれたが
「いろいろと御迷惑をお掛けします」
と、頭を下げただけで直ぐにその場を離れた。
帰りの道々、足元ではしゃぐ子供達に上の空で返答をしながら・・・
胸がムカムカし、キュ-っと胃が締め付けられるような自分に大きな不安がよぎった。
「もう、限界かもしれない・・・」
36: 賢治:04/05/18 15:26
ID:zUu1DFES
いかに苦悶の日々であろうとも、その傍らで日常は存在し続ける。
五人の小学生と、三人の園児を抱えてのそれは立ち止まる事も許されなかった。確かに「離婚」という社会的にも子を持つ親としても望ましくない状況ではあった。
しかし、子供達に与える影響はやはり少しでも押さえたい・・
その想いだけで、子供と接する時だけは何事もないかの様に振る舞う事が出来た。只々、その存在の偉大さにあらためて感謝するのであった。
37: 賢治:04/05/18 16:00
ID:zUu1DFES
何度も、崩れそうになる気持ちを建て直し、しかし直ぐにまたその気持ちも途切れる。そんな繰り返しの中、またもや
「子供が出来たんやけど、どないしよ」
「あの男、働かへんし子供産んでもやっていけるか解からん」
この頃はもう、一緒に住んでいる男の存在を認めていたが・・
私と夫婦であった時からの不倫を知られたくないが為、最初に問うた時は嘘に嘘を重ねて否定した通代からの一報であった。
39: 賢治:04/05/18
18:41 ID:mP/DaeuY
「そんな奴のとこで子供産んだって不安だろ・・俺んとこ戻って産んだらどうだ?俺んとこで俺の子としてそだてりゃあいいよ」
自分でも驚くほど素直に言葉が出た。
「本当に戻っていいの? ありがとう!」
「うん、俺もお前が出て行ってからちょっと物足りなくてさ・・ こんな気持ちでいるより、戻って来るつもりがあるんなら戻ってもらった方がいいや。」
「うん、うん・・・」
そう答える通代の声が震えた。
「これでいい、これでよかったんだ・・子供は誰の子だって通代が産むんだから俺の子供と血を分けた兄妹だ、関係ない」
そう思うと目の前がパッと明るくなった。
40: 賢治:04/05/19
09:08 ID:g9qO1eWv
これで万事が上手くおさまる、そういう思いがあった。
不倫のあげくに出て行った通代をまた迎い入れる、しかもその相手の子供も実子として育てる決意であるのだ・・。
「男つくって逃げた女房を家に入れるのか」
などと揶揄する輩もあろうが、この度量の前にはとるに足らない。
誰が私を責められようか、と揚々だった。
通代が出て以来、どれだけ惨めに涙を流したかなど誰に推し量られようもないのだ。
41: 賢治:04/05/19
10:01 ID:g9qO1eWv
通代は帰って来る、そのお腹には生命が宿っているのだ。
そう思うとその子はもう、既に私の子供なのだ。
沸々と嬉しさがこみ上げた。
通代と暮らした十年に満たない時間の中で八人の子供が産まれた。
だが実は九人目の子供も妊娠していたのだ。
しかしこの世に出してやる事が出来ず、生涯忘れ得ぬキズを負った。
そのキズさえも癒えるのではと感謝した・・。
42: 賢治:04/05/19 10:21
ID:g9qO1eWv
早速、細かい話を詰めなければならない。
通代の気持ちはともかく相手の男の事もあるのだ。
子供の誕生と復籍を考えればそれは早いに越した事はない。翌日、仕事の昼休みに通代のマンションに向かった、気分は軽かった。聞いておいた暗証番号を押すとドアを開け、そっと中に入った。復縁がまとまり電話を置いたのが午前二時過ぎ・・
確実に通代はまだ寝ているブランチでも用意してから起こせばいい。
確認すべく部屋のドアをそっと開けるとそこには男と重なり、正に最中の通代の姿があった。



