【1/3】間男とやってた嫁は「間男との別れ話は済んだんだよ。あんたんとこに帰るって言ったら間男は良かったねって... だから、お別れの前に最後にもう一回って...」とのたまったw


45 賢治:04/05/19 11:00 ID:g9qO1eWv
「お前等、この野郎!」
私の声と同時飛び上がった二人は慌てて布団で身体を隠そうとした。
「いいから起きてここに座れ!」
並べて正座さた二人の身体はまだ火照っていた。
「お前なぁ、昨日の電話は何だったんだよ!」
と通代に詰め寄ると男が動こうとした。
「かばうんじゃあねえ!座ってろ!」
そう牽制すると通代の肩口を蹴りあげた。
「昼間っから・・犬っころかお前等ぁ」

46
 賢治:04/05/19 11:13 ID:g9qO1eWv
「大体、お前もなあ・・」
と言いながら足先で男をこずくと
「やめてよ!」
念を押すような言い回しで通代が怒鳴った。私に牽制され、動こうとしなくなったこの男を通代は正面からかばった。
「別れ話は済んだんだよ、あんたんとこに帰るって言ったら良かったねって言ってくれたんだよ!」
「何言ってんだ馬鹿野郎!じゃあこれは何なんだよ」
顎で状況を指しまわすと・・
「だから・・お別れの前に最後にもう一回、って・・」
            ・・・・・男は相変わらず無言だった。

47
 賢治:04/05/19 13:24 ID:g9qO1eWv
「あのなぁ、お前等も嫌になって別れるんやないで気持ちは解るけどな、俺に知られた以上復縁の話はチャラやで」
裸のまま並ぶこの二人に当然の宣告と思ったが
「なんでぇ!また一緒に暮らすって言ったやん!」
と通代が叫んだ。
「アホかぁ!こんなん見しといて何でや言うのがおかしいわぁ!」
それでも通代は
「一緒に暮らすって言うたやん、あれウソかぁ?なぁなぁ、一緒に暮らすって言うたやん!」
と悪びれるでもなく言い寄った。

48
 賢治:04/05/19 15:24 ID:g9qO1eWv
通代の、一切常識や観念の通じない所には一緒の頃から本当に往生した。新婚三ヶ月の頃に風で働かれた時には私の理解の範囲を遙かに越えた出来事にのたうち回って苦しんだ。
子供が出来てからも、私が会議で終日出掛けるとその間一切子供に食事を与えない母親であった。家事は全く手をつけず我が家の経済がいかに苦しくても親から貰ったお金で酒を買い肴を買い、晩酌をする毎日だった。私の稼ぎからの支出ではなく文句を言う事はしなかったがその事で度々子供達につらい思いをさせる事があった。

49
 賢治:04/05/19 15:32 ID:g9qO1eWv
ある日朝食を作っていると長女が起き抜けに・・
「昨日うちにお刺身あったの?」
と言う。
「電話も止まってるのにお刺身なんてないよ!」
「だって、テレビんとこにお刺身食べたあとがあったよ」
見に行くと明らかにその通り、昨夜通代の晩酌時の痕跡がハッキリとあった。
「いいなぁ、愛代もお刺身食べたかったなあ」
娘は何の思いもなく言うのだが、それをしてやれない親はつらかった。

50
 賢治:04/05/19 15:47 ID:g9qO1eWv
子供が夜中にふと目を覚ますと通代が一人でボリボリお菓子を食べている姿をよく見たそうだ。目でも合おうものなら・・
「人が物を食べてるのをジッ見るんじゃあないの!早く寝なさい!」
と怒鳴られたという。
「ひっでぇ母ちゃんだったなあ」
と今でも次男が笑って話すが、当時そんな話を聞くと切なかった。
食べ物の事は小さな子供にはむごいましてや普段充分に与えている家でもない。その都度注意をするのだが、通代の態度は何時も一緒だった。
「解ったって!子供にもやればいいんでしょ!」

53
 賢治:04/05/19 22:52 ID:jEdCqUHr
一度は成り行き掛けた復縁の話ももう私には興味のないものになっていた。しかし、復縁話のきっかけとなった通代のお腹の子にはそう簡単に興味を失う理由にはいかなかった。
私の元へ帰る事が難しくなったとみるや、通代と、相手との間でお腹の子を堕胎すべきという話が持ち上がっていたからである。二人の問題であり二人で考えるべき事ではあるが・・ その論点が、小さな生命を存続するや否やでありそれが正に、二人の判断に委ねられている事が理不尽でたまらなかった。

54
 賢治:04/05/19 23:15 ID:jEdCqUHr
一度頷いた為に、その後何度も復縁をせまる通代に
「じゃあさ、俺達の九人目の子・・ダメになっちゃったの何月の何日だった?」
と聞いた事がある。
「もし覚えていてくれたら復縁の話、もう一度考えてもいいよ」
そう付け加えたが、復縁してもいいと言い切らなかったのはもしかしたら覚えているかもと思ったからである。その一方、私に復縁の意志はないがこれは覚えていて欲しいという思いもあった。
現在目の前に存在する私達の子供と何等変わる事のない私達の子供だったのだから・・

55
 賢治:04/05/19 23:27 ID:jEdCqUHr
「ええとね・・あれは11月のね・・ええとねぇえ・・」
「もう、いいよ!」
「何でやぁ、まだ言うてないやん」
通代はその月さえも覚えてはいなかった。
「もう一回、もう一回チャンス頂戴!もう一回言わしてぇな!」
と、まるでクイズにでも答えるように悔しがる通代にもう何も期待をするのは無駄だと思い知った。あの日私はどれだけ悲しかったか。
「男だったのだろうか、女だったのだろうか・・どんな顔をした子だったのだろう」
そう思うと耐え切れなかった、やり切れなかった。

56
 賢治:04/05/19 23:47 ID:jEdCqUHr
「あんたら、子供はもう止めやあ!」
「子沢山は貧乏人の象徴や!世間様に恥ずかしいわ」
何度もそう言われながらも八人年子で出来、産まれてくれた。家族計画という言葉自体が気に入らなかった。家族を計画的につくるなんて発想が不愉快だった。それでも生活はして行かなければならない、その葛藤の中で結婚9年目にして初めて避妊し始めた矢先、弱気になった私を蹴飛ばすように出来た子供だった・・
それだけに、嬉しさも尋常ではなかった。
一応気を使ったにも関わらず出来たという堂々とした言い訳もあるのだ。


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